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再就職手当の支給について

再就職手当の支給について

 普段、一般の看護師さんは、人事や給与決定等総務に関することについてあまり知る機会がないと思いますので、今回は雇用保険、失業保険、再就職手当について少しお話したいと思います。

 

 再就職手当とは、雇用保険加入者が離職した場合、ハローワークから失業給付を受けずに、あるいは45日以上の給付期間を残した状態で再就職した方に国から給付される制度のことです。受給の資格や要件は、後述しますが一定の基準があります。

 

 再就職手当は、雇用保険に加入していなければ当然もらえませんが、雇用がパートや派遣といった場合や身分が公務員などといった一部例外を除けば、常勤の看護師さんなら加入しているはずですので、一度給料明細を確認してみて下さい(加入していなければ、その事業所は怪しい事業所です)。ちゃんと加入していれば基本給の0.6%(6/1000)天引きされているはずです。

 

 さて、再就職手当をもらうためには、下記の要件を満たしている必要があります。

 

再就職手当支給の要件

@就職日の前日における基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上()あること。
A原則、雇用保険の被保険者になっていること。
B離職前の事業主に再び雇用された者でないこと。
C失業後に7日間の待機期間が満了した後に職業に就くこと。
D離職理由による給付制限を受けた人は、待機期間(7日間)終了後1ヶ月以内の期間については、安定所(ハローワーク)または厚生労働大臣が許可した職業紹介事業者の紹介により就職した者であること。
E過去3年以内に再就職手当の支給を受けていないこと。
F採用の内定が「受給資格決定日」以後であること。
G1年を超える雇用が確実であると見込まれること、または自ら事業を開始すること。
H再就職手当の申請後、すぐに離職していないこと。 

 

雇用保険法改正(平成21年3月31日)により拡充された再就職手当の支給要件及び給付率については、再就職した日が平成24年3月31日までの方が対象です。

 

再就職手当の金額・計算

 

再就職手当の支給額は、支給残日数の40%又は50%(※)に相当する日数分に基本手当日額(上限あり)を乗じて得た額となります。
ただし、平成23年8月以降再就職手当の給付率が以下のように引き上げられます。

 

※平成23年8月1日以降、
給付日数を3分の1以上残した場合・・・・・給付率50%(恒常化)
給付日数を3分の2以上残した場合・・・・・給付率60%(恒常化)

 

なお、60歳以上の方が対象となる高年齢者雇用継続給付と再就職手当は併給できません。

 

 

 さて、法律上の文章だったり要件って理解に苦しむ部分がありますから、少し補足をしたいと思います。

 

 上記@の所定給付残日数が1/3以上あることについては、最少の支給日数が90日間となっていますので、支給決定が90日間の場合は失業給付を一度でも受けたら30日以上支給日数残ってなければならないということです。勤務年数が10年超えたら支給日数が120日間となりますので、その場合は40日以上残ってなければならないということです。

 

 Cについては、給付開始までの制限期間(事業主都合の場合は無し、自己都合退職の場合は、失業給付開始まで3ヶ月の給付制限期間がある)とは別に、退職の事由を問わず強制的に7日間の待機期間があるのですが、この7日間の待機期間が終わる前に就職した場合は再就職手当は支給されないということです。
 もっと解りやすく言うなら、ハローワークはこの7日間の間は絶対に就職斡旋をしませんので、例えば7日間の待機期間が解ける前に自ら就職先を見つけたり、前職を退職する前に転職情報サイト(Cで言う職業紹介事業者)を活用し、予め就職先が決定しており、退職後すぐに引き続いて新しい勤務先で仕事を始める場合を指します。
 1つ注意しておかなければならないのは、7日間の待機期間というのは、退職した翌日が基点ではありません。離職票を持ってハローワークで所定の手続きが終わってから7日間となります。
 以前の勤務先が離職票を発行してもらうためには、事務手続き上総務担当者がタイムカードや辞令の写し、給与台帳などを持ってハローワークに行ってから離職票を発行してもらいますので、通常離職票を取得するのに数日間要する場合が多いですから、実際には退職日から7日間ではないことを覚えておいて下さい。

 

 Dについては、Cにも関連しています。
 解雇など事業主都合による場合は7日間の待機期間を過ぎれば自ら就職先を見つけても再就職手当を受けることが出来るのですが、自己都合退職など3ヶ月間の給付制限を受ける人については、7日間の待機期間終了〜1ヶ月間の間に自ら就職先を見つけて就職する場合は、再就職手当が受けられないということです。逆にハローワークか転職情報サイト(職業紹介事業者)から紹介を受けて就職先が決定したならOKということです。
 なお、転職情報サイトを利用する場合、職業紹介事業者として厚生労働大臣の許可を受けている必要があります。このホームページに掲載しているところは全て許可をもっていますが、念のためご自身でも本当に許可を持っているのかサイトを覗いて確かめてみて下さいね。

 

 その他の項目については、見たまんま、言葉の通りです。

 

 少し長くなりましたが、転職を考えている方で、退職してスグには働かないけど、チョットだけ休憩して長くは休まないつもりという場合は、この再就職手当をもらえる場合がありますので、よく理解出来ない方は、該当するのかどうか転職情報サイトのコンサルタントに確認してみるといいでしょう。

 

 1つ絶対的に注意しておかなければならないことは、失業給付にしても再就職手当にしても、『もらえるモノはもらっておこう』の精神で安易な申請や行動をすると、予想だにしない大きなしっぺ返しがくる可能性があることです。
 失業期間中アルバイトしたのを認定日に申告していなかったり(失業中アルバイトすることは禁止ではありません)、再就職手当をもらいたいがために新しい勤務先と結託して内定日を調整したりというのがハローワークにバレると、2倍返しで返還を求められたり、場合によっては詐欺罪で捕まります。
 全国のハローワークには不正受給を担当するGメンと呼ばれる調査官が居ますし、意外と身近な人からの電話や投書などの通報でバレるケースが多くなっています。

 

 あくまでも正当な手続きを取った上で、そして判断に迷った時はコンサルタントにも相談して再就職手当をもらうようにして下さいね!


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